とうとうはじまりました!
横浜美術館×横浜市民ギャラリーあざみ野 共同企画
「シリーズ・写真史を体感する」
【第3期】表現する写真―ピクトリアリズム時代の印画法ブロムオイル。
この日も、横浜美術館の天野太郎主席学芸員によるレクチャーからスタート。
19世紀の写真と絵画の関係、
芸術を志向し、美術館の壁に展示されるようになった写真のお話などなど
ピクトリアリズムの写真が生まれた背景を探ります。
レクチャーの後は、横浜美術館のコレクションを鑑賞。
今回鑑賞していただいたのは
ピクトリアリズムの作品を中心に、
ピーター・ヘンリー・エマーソン「鳥猟者」(1886年頃)、
コンスタン・ピュヨー「無題」(1894~1902年頃)、
アルフレッド・スティーグリッツ「野望の都市」(1903年)、
錦古里孝治「2尾の魚(鰊)」(1927年)、
福原信三「巴里とセイヌ、博労」(1913年)、
梅阪鶯里「淡雪」(1928年)、「竹林」(n.d)、
小川月舟「裸婦」(n.d)。
技法も、精緻な鶏卵紙、プラチナ・プリント、
絵画のような質感のゴム印画、ブロムオイルなど多岐にわたり
一口に芸術写真といっても様々な表現があることがわかります。
本物の印画を見ると紙の質感の違いまでわかり、
参加者のみなさんも、食い入るように作品を鑑賞されていました。
午後は、班に分かれてプリント&漂白作業。
まずは、講師の比田井一良さんの
ブロムオイル印画法についてのレクチャー。
そして、横浜美術館の引き伸ばし機を使って
印画紙にご持参いただいたネガのイメージを焼付け
→漂白します。
プリントの濃度、薬品の調合、漂白作業をすること以外は
通常のゼラチンシルバー・プリントの暗室作業とほぼ同じ。
この辺が、第1期・第2期と違い
だいぶ時代が現代に近づいて来たことを感じます…!
「表現する写真」はやはり、ネガをいかに表現するかがミソ。
暗室経験があり、覆い焼きを駆使される方も…!
みなさん気合を入れてプリントされていました。
こちらが漂白したプリント。
白くてよくみえない…
ここからどんな画像が浮き上がって来るのか、次回のインキングまでのお楽しみです!