2月5日~20日まで開催した「あざみ野コンテンポラリーvol.1 イメージの手ざわり展」。
会期中の2月13日に行われた2回目のアーティストトークの様子を、アートサポーターの宮原由梨さんにレポートしていただきました。
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2月13日 アーティストトーク第二回
1階に展示されている、田村友一郎さん、志村信裕さん、plaplaxのアーティストトークが開かれました。

ドライバーと田村友一郎さん(右)
最初は田村さんから。一緒にドライバー役の東さんと本間さんも参加されました。
「今回の作品《TAIL LIGHT》は、Googleストリートビューの静止画を取り込んで、動画にしたもの。ロードムービーを自分で撮るのではなく、ストリートビューの持つイメージのテンションの低さに、独特なポテンシャルを感じていた。」
タクシードライバーに、あざみ野のアートサポーターさんたちを起用したのは、自分の作業だけで作品を完結させるのではなく、他人も介入する作品であって欲しいと思ったんだそうです。
「他人との密室の車内で体験する不安感、その濃密な時間を体験してほしい。」
都市をつなぐ。横浜から出発して各都市の姉妹都市をつないでいく。「タクシーのテールライト(尾灯)のように、経験抱負なタクシードライバーの人生を乗客に鈍く照らしてみたい。」
ドライバー役の東さんより今回の感想が述べられました。
「今回の作品は、田村さんがこうだよと指し示さなかった。だからこそ、この作品に発展性を感じた。発展性のある作品はいい。」
今回の作品は、延々と地道な作業を続けたそうで、写真のデータのフォルダ名を替えるだけで、丸2日かかったそう。だいたい2000~3000枚は使用したそうです。
タクシーのドライバーと過ごす何とも言えない緊張感のある時間。体験した人はみんな「面白かった」と言ってくれました。

志村信裕さん
次は志村さん。
「《pearl》という作品は、雪をエントランスに投影。夜になると、雪がコントラストを強くして光ります。」さらに、「夜にならないときれいに映り込まないのですが、自動ドアのガラスに映り込んで、雪が外に降っているようなイメージを作り出している。その虚像が、映像の虚構性を表しているようで、展覧会を見終わったあとの最後の作品として、この雪を見て欲しい。」
今回の作品のテーマは[銀幕]で、一番最初の映画を映していたことの起源を考えたいと思ったそう。たばこの煙を投影した《cloud》は、なんと100円ショップで売っている梱包用のキラキラクッション材。それを1000個購入。人の肉眼では見えないものを映し出したかったとか。
「展示室の普段使っていない壁を使いたいと思い、壁をしまう場所をあえて展示場所に決めました。その場所に、アートサポーターの人々と一緒に作品を作りたいと思って、《mosaic》を制作したんです。」
この作品はアルミホイルを使用。
「“うつす”ということばは、『映す』だけではなく、『移す』ということばもあります。あざみ野周辺の日常をこの展示室に移す、移動させてきた。一緒に作業しているアートサポーターさんたちの日常を見る目が変わったのが面白かったです。」
実際志村さんと一緒に作品制作をしたのですが、こんなにあざみ野の風景がきらきら光って感じたことはなかったです。新しい姿でもない、ただただ見慣れている風景なのに。
「モザイクは実際の映像で使われると、固有名詞を取り去ることになる。そういったはっきり見えなくなるもの、抽象化されたものを表現したいと思った。」
「この作品は、和風だねと言われたことがあって、銀箔を貼ったふすまもまさに何でもない風景や自然を表現したもの、そういう観点からすると、屏風絵やふすま絵のようなしつらえになったのかもしれない。」

左から久納鏡子さん、近森基さん
最後はplaplaxの近森さん、久納さん。
plaplaxは4人のユニットで、[株式会社プラプラックス]として会社を設立しています。
商業スペースに作品を出して欲しいと依頼されるようになってから会社を設立したそうです。
「空間そのものをインタラクティブにしていきたい。空間に新しいキャラクター性を付けていきたい。将来は公園を作りたい。」
plaplaxが考える、デザインにおけるインタラクティブな指向。
Interactive(観客参加型作品)→Workshop(テーマを共有)→Collaboration(共同制作)→Deeper?(さらに…)
「あらゆる分野の人たくさんの人々とテーマを共有して参加型の作品をつくることが多いのですが、かなりいろいろな人とコラボしています。ディスカッションをして何かを作る=コラボレーションだと思っています。人が関わってくれることで、作品が成り立つような。」
私もワークショップに参加させていただきました。イマジネーション フル活用で、子供たちとわいわい制作できたのがとても良かったです。
「《Tool’s Life》に関しても観るだけでなく“影”を媒介として自分の存在をも知り、確かめるきっかけを与えられたらと思った。」
《Tool’s Life》もいろいろなバージョンがあり、展示場所によって変えているそう。
《Glimmer Forest》は、物語の始まりとしての森という意味が込もっているそうです。
ワークショップをたくさん開催しており、インタラクションをするためのセンサーを常に考えているとのことでした。中には、においをセンサーにした作品も。
「においの種類をリアルタイムに感知して、花を咲かせる作品を制作。こういった作品を作っていて、この作品のあるべき場所はどこかを考えることも多くなりました。」
人のアクション・行動に対してストーリーを付け加えることをしていきたいとのこと。
「商業やイベントなど様々なものとアートをつなげていきたい。アートにとって未開拓なものとアートをつないでいきたい。メディアアーティスト=旅人説を唱えています。」
さらに、質問に答えて、
「アートでデコレーションするつもりもなくて、日常生活で邪魔だなと思うものを作っていたらそれは失敗だと思う。見る側と作り手側両方を体験することができるアートでありたい。」
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内容は三者様々ですが、中身の濃さ、作品の力はどれもすばらしいです。みなさんの作品に対する思いの強さをあらためて実感できたアーティストトークでした。
宮原由梨(アートサポーター)