L PACKインタビュー

L PACK(左から小田桐奨、中嶋哲矢)

-場をつくる、人をつなげる活動に興味を持ったきっかけは?

(中嶋:以下N)大学の時に建築を勉強していて、模型を授業でつくったり、図面を引いたりするんですけど、そういうものは架空のものでしかなくて、僕らが通ってた老夫婦が二人でやっているイタリアンレストランに、建築家が集まってたりとか、サッカー選手が来ていたりとか、そっちの方が面白くて、そういうものの方が空間としていきいきしてるなあ、と。仮想の話ではなく、実際に今起こっていることを体験しているっていうことの方が大きくて、そういうことに興味を持つようになったっていう感じですね。

(小田桐:以下O)あと、それを誰がやっているか、ということですね。その空間を動かしている人がやっぱり重要なのかな、という。

 

-そういう活動の中で、今回展示している道具や料理、L PACKの二人の振る舞いは、どういった位置づけになるのですか?

(O)味を楽しんでもらうのは二の次、というか、やっぱり最初はそういうものを使った時に生まれる状況、というものがやりたいものに近い。コーヒーを出して飲みながら話したり、というのが自分たちの中でも一番やれることでもあるし。

 

-今回は展示ですが、やってみていかがでしたか?

(O)単純にやったことが無かったので楽しかったですね。何をどうすればいいんだろう、というのが最初の方にあったのですが、途中からいつも通りでいいや、と。いつもどおりやっていることが、たまたま僕らがいないっていうことなんだな、って思った時に、ショーケースで展示することによって、あの辺でいつもと違う状況が生まれたりするためには、どうしたらいいかな、って考えてみました。ちょうど松本(※1)とかも含めて、「もの」のあり方がすごく気になっていて。

 

-あり方、というと?

(O)デザインではなくて、自分たちがあの中に入れたものも、何で選んだのか、とか何で買ったんだろう、とか、これは何ができるんだろう、とか。これだったら、液体を飲むこともできるけど、意味もなく転がしてみたりとか。

(N)僕らはものはつくらない、空気とか、場、とか、目に見えないじゃないですか。建築物だったら目に見えるけど、そこまで行かないように、ということをやっています。でも、ずっとそれだけだと仮想になっちゃうので、一旦、つくらないんですけど、今あるものをもう一度見てみる、ということに意識が行っている気がします。

 

-今後またいろいろなところでの活動が続きますが、「もの」を見る、ということは展開していきそうですか?

(O)そうですね。石巻(※2)でやるのも、アトリエショップL CAMPっていうタイトルなんですけど、それも何かものごとを、石巻でおこっていることとか、落ちているものとか、買ったものとかを、ギャラリースペースに僕らのアトリエをつくって、それがショップ、買うっていうこととリンクしていることと並行して見せることが出来たらな、と考えています。

 

※1 L PACKが2012年5月に長野県松本市で行ったインスタレーション「現在民藝館丸山邸」のこと。ここでL PACKは、古民家を舞台に自然物、日用品を使って工芸や民藝がまとっているものの考え方、捉え方を提示した。

※2 L PACKが2012年7月現在、宮城県石巻市日和アートセンターで展開中のプロジェクト(http://hiyoriartcenter.com)/