「おしゃべりなトリエンナーレツアー」参加者からの感想

10月1日に開催した「アートなピクニック おしゃべりなトリエンナーレツアー」
に参加してくださった、野沢鉄男さんからの感想をご紹介します。

野沢さんは中途失明をされ、現在は全盲の70代の男性です。
いつも明るい愛称・ノンちゃんこと野沢さんは、
視覚障がい者のための映画音声ガイドを作成するグループで活動したり、
いつもアクティブに動き回っていらっしゃいます。

野沢さんは対話を通しての美術鑑賞、
特に現代アート作品を鑑賞することが好きで、
よく横浜市民ギャラリーあざみ野にも足を運んでくださいます。
(以下、感想です)

今回のトリエンナーレ(二つの会場)が、私に授けてくれたものは、
ちょっと視点さえ変えれば、私も芸術作品を製造する側に回れると思えたことです。

それには、日常生活で眼に、耳に、手にするものなどに美を感じること、
子どものような素直さが求められそうです。

今回のトリエンナーレで、印象に残ったものを数えれば沢山あります。
その中でも、横浜美術館では、『Y字形の街路風景』(横尾忠則の作品)でした。
現代の不安、暗澹(あんたん)、混沌などから来るきずなの薄さを象徴しているように感じました。

ヘンリック・ホーカンソンの作品の前で

ヘンリック・ホーカンソンの作品の前で

次に、BankART NYKの倉庫では、何と言っても、
1階から3階まで吹き抜けのスペースに直立されている樹(ヘンリック・ホーカンソンの作品)の泰然自若(たいぜんじじゃく)とした姿でした。まるで、自分が、航空写真かにでもなったような爽快な気分になれました。森林浴などで、下から梢を見上げることがあっても、上空から下界を見下ろせることは皆無です。

これも、私の視点を変えるのに役立ちました。

そして、私が最後に見た、
「3・11の風景」(ジュン・グエン=ハツシバ《呼吸することは自由:日本、希望と再生》)は強烈でした。血管のようなランナーたちの痕跡は、震災を被った方々、死者の方々への力強いレクイエムです。

この「私たちに何が出来るのか」と呼びかける映像作品は、いつまでも私の胸の中で燃え続けるだろうと確信します。

私たちに出来ることは、“感謝、つつしみ、助け合い”の輪を広げることだと思います。

デワール&ジッケルの作品の前で。右から2番目が野沢さん

デワール&ジッケルの作品の前で。右から2番目が野沢さん

野沢鉄男

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