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美術という枠や社会的評価にとらわれず、様々なジャンルのアーティストが行っている表現活動に目を向けたシリーズ展「あざみ野コンテンポラリー」。その第11回は、パフォーマンスのほか、映像やドローイング、テキストによる作品を発表している注目の若手アーティスト、関川航平の個展を開催しました。本展では、関川が22日の会期中毎日展示室に滞在してパフォーマンスを行いました。フロアに寝かせた縦2,700×横3,600×厚さ100mmの白塗装を施した壁の上で、黒いシャツとズボンにタップシューズを身に着けた関川がグラファイト(石墨)で文字や絵を描き、詩のような台詞を叫び/呟き、ダンスをし、歌い、ハミングをし、口笛を吹き、歯軋りをし、走り、歩き、寝て、起きて、考え、演劇のような身振りをし、踵を/爪先を/指先を擦り、引っ掻き、全身を叩きつけ、1日の終わりにはその1枚の壁を持ち上げ、反対側にひっくり返し、痕跡は二度と目にすることのできないものとなりました。一連の行為は、22枚の壁を通じて22日間欠かすことなく行われ、特設サイトでは作家自身が毎日パフォーマンスと円環するような言葉を綴ってゆきました。鴻池朋子氏、山下澄人氏との関連イベントは、作品の世界観を知ることのできる貴重な機会となりました。連携企画として開催したあざみ野カレッジでは、講師の木下知威氏のゲストとして登壇し、手話、UDトーク、筆談を駆使し、充実した対話を繰り広げました。