現代の写真表現を紹介するシリーズ「あざみ野フォト・アニュアル」2019年度の企画展は、2012年に写真集『東北』で第37回木村伊兵衛写真賞を受賞した注目の写真家、田附勝の個展を開催します。
この展覧会では、2006年から縄文以来のシャーマニズムが息づく東北の風土やこの地に暮らす人々の生活や文化を撮り続けてきた田附が、2012年から撮影を始めた「KAKERA」シリーズを紹介します。同シリーズは、新潟県津南町を皮切りに各地の博物館の収蔵庫や発掘現場で保管されていた膨大な資料である縄文土器のかけらを、箱のなかで中敷きや梱包として使用されていた新聞と共に、保管状態そのままに撮影したものです。言語以前の文様が施された土器のかけらを前に、「何も語らないピースが現代に生きる自分たちに語るものがあり、歴史・過去が炙り出される」と田附は言います。縄文時代の土器のかけらと、時々刻々に変転する社会の趨勢を伝える新聞との組み合わせは、見る者にあたかも考古遺物と歴史の邂逅を目撃するかのような経験をもたらすのではないでしょうか。
本展は、声なきものや名付け得ぬものとの対話から、その歴史や手の痕跡、失われた時間までをも捉える、田附のこれまでの写真にも通底する視座を見てとることができる、またとない機会となります。
田附勝 たつき・まさる
1974年、富山県生まれ。全国のデコトラとトラックドライバーを撮影し『DECOTORA』を2007年に発表。2012年に『東北』で第37回木村伊兵衛写真賞を受賞した。その他『その血はまだ赤いのか』、『KURAGARI』、『「おわり。」』などがある。社会で見過ごされてしまうものに突き動かされ、写真のテーマとして撮影を続けている。
<イベントのお申込方法>
「ホームページの申込みフォーム」「直接来館(アートフォーラムあざみ野2階事務室)」
のいずれかでお申込みください。
・複数のプログラムに参加ご希望の方は、お手数ですが別々にお申込みください。
・視覚に障がいがある方で、上記の方法でのお申込が難しい場合はご相談ください。
・提供された個人情報は今回の事業実施のためだけに使用し、その他の目的で使用することはありません。
<保育について>
「保育あり」のプログラムにご参加の方は、プログラム時間中に主催事業保育料金にて1階の保育室(予約制、対象年齢:1歳6ヶ月~未就学児)をご利用いただけます。詳細はアートフォーラムあざみ野「子どもの部屋」(Tel.045-910-5724)までお問合せください。