横浜市民ギャラリーあざみ野 | Yokohama Civic Art Gallery Azamino

ミノックス・オリジナル[横浜市所蔵カメラ・写真コレクション]

ミノックス・オリジナル/ヴァルスツ光機/1937年

ミノックス・オリジナル/ヴァルスツ光機/1937年
カメラが生まれた頃から、小さなボディと高度な機能の共存は追い求められて来ました。1937年にラトビアのヴァルスツ光機から発売されたミノックスはその両方を実現したカメラの一つです。ボディのサイズがわずか17㎜×27㎜×81㎜と手の中にすっぽり入る小ささながら、ピント調節機構を持ち、2分の1~1000分の1秒までのシャッタースピードをきることが可能な金属製カメラで、発売当初から世界で注目されました。

しかし1939年に第二次大戦中が開戦するとミノックスも時代の波に翻弄されます。ラトビアが1940年にソ連に併合、1941年にはドイツ軍の占領にあい、そのたびに生産国として“USSR(ソビエト連邦)”の文字の入ったものや、独空軍のマークの入ったものがつくられました。1944年にラトビアが再びソ連に併合された後は、ラトビアを逃れた技術者らによって西ドイツで「ミノックス社」が設立され、生産が再開されました。

発売当時から一般に販売されていたミノックスですが、その小ささとF3.5という暗いところでも撮影可能なレンズの明るさ、20㎝の至近距離でも鮮明な画像が撮影できたことから、スパイカメラとして情報収集や重要文書の複写などに活用されました。第二次大戦後も、後継機がキューバ危機をはじめ、数多くの事件の影で使われたといわれています。

*情報誌『アートあざみ野 vol.30』(2016年7月5日発行)「Gallery on the Magazine vol.26」より転載、2026年に一部修正
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