横浜市民ギャラリーあざみ野 | Yokohama Civic Art Gallery Azamino

マグネシウム・フラッシュ[横浜市所蔵カメラ・写真コレクション]

マグネシウム・ランプ/製作者不詳/1885年頃

マグネシウム・ランプ
マグネシウム・ランプ/製作者不詳/1885年頃
ぜんまい仕掛けでマグネシウム・リボンが中から繰り出され、発光する仕組み。
現代は、超高感度デジタルカメラで暗いところでも鮮やかな写真を撮ることができますが、写真が生まれた当初は感材の感度が低く、室内で写真を撮るだけでも困難を伴いました。そこで着目されたのが、空気中で加熱すると強い光を発して燃焼する性質を持つ金属、マグネシウムです。1864年に、イギリスのアルフレッド・ブラザーズ(1826-1912)がマグネシウムを光源にした写真撮影の実演が行ったのを皮切りに、翌年にはピアッツィ・スミス(1819-1900)がエジプトのピラミッドの内部の撮影に使用しています。
初期のマグネシウムはリボン状のものを燃焼させていたため、発光時間が長く、フラッシュ撮影ができませんでした。しかし、1887年に他の化学物質と混ぜ合わせることによって安定したフラッシュ・パウダーが実用化されると、映画の中の写真撮影風景などでおなじみの、撮影と同時にカメラの横で爆発音とともにフラッシュが焚かれて白い煙が立ち上る光景が、多く見られるようになります。
マグネシウム・パウダーは、シャッターを押す瞬間に合わせて手作業で点火させなければならなかったため、使用には常に爆発や火傷の危険を伴いました。しかし、広い範囲に均一に光がまわるため、フラッシュ・バルブやストロボが普及する1940年代まで広く使われました。

*情報誌『アートあざみ野 vol.25』(2012年10月10日発行)「Gallery on the Magazine vol.21」より転載
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