横浜市民ギャラリーあざみ野 | Yokohama Civic Art Gallery Azamino

ニューヨーク万博記念モデルのカメラ [Gallery on the WEB vol.54]

イーストマン・コダック・カンパニー/1939年

ニューヨーク・ワールドフェア・ビュレット・カメラ/イーストマン・コダック・カンパニー/1939年
 1939年に開催されたニューヨーク万国博覧会では、「The World of Tomorrow(明日の世界)」をテーマに、建築家や当時、新興の職業として注目されていたインダストリアル・デザイナーが、各国や企業のパビリオンの設計を通じて未来的なイメージを作り出しました。

 メイン会場となった建築家ウォレス・ハリソン(1895-1981)らによる「トライロン&ぺリスフィア」は200メートルにも及ぶ尖塔と球形の建築で、「ペリスフィア」内部にはインダストリアル・デザイナーのヘンリー・ドレイファス(1904-1972)が構想した未来都市「デモクラシティ」のジオラマが展示され、来場者は動く歩道に乗ってそれを鑑賞しました。

 「トライロン&ぺリスフィア」は、万博のシンボルとして様々なグッズにそのイメージが取り入れられました。企業パビリオンを出展したイーストマン・コダック社も、パビリオン設計者の一人、ウォルター・ドーウィン・ティーグ(1883-1960)がデザインしたベビー・ブローニーとビュレット・カメラに、「トライロン&ぺリスフィリア」がデザインされたプレートを取り付けた記念モデルを製造しました。

 これらのカメラは、コダック社のパビリオンと「トライロン&ぺリスフィア」が描かれた外箱に入れられて、万博会場のインフォメーションやグッズ売場で販売されました。購入者は、コダックのパビリオン内の「コダック・フォト・ガーデン」で「トライロン&ぺリスフィア」のミニチュアや万博会場の絵などを背景に、「明日の世界」での記念撮影を楽しみました。

*情報誌『アートあざみ野 vol.59』(2021年8月末発行)「Gallery on the Magazine vol.54」より転載
ニューヨーク・ワールドフェア・ビュレット・カメラ/イーストマン・コダック・カンパニー/1939年
ベビー・ブローニー・ニューヨーク・ワールドフェア・モデル/イーストマン・コダック・カンパニー/1939年
一覧ページへ戻る