三原色理論とアイヴス・クロムスコープ[Gallery on the WEB vol.64]
アイヴス・クロムスコープ/フレデリック・アイヴス/1894年頃

人の眼が赤、緑、青それぞれの色の光に反応する受光体によって色彩を認識しているという理論は、19世紀初頭から唱えられていました。スコットランドの物理学者クラーク・マックスウェル(1831-1879)はこの理論を説明するために当時モノクロでしかイメージを再現できなかった写真を利用します。被写体を三色のフィルターを通して分解撮影し、三色のモノクロのガラスポジ像を再び三色のフィルターを通して幻燈機で映写し、色彩を再現する方法を1861年に発表します。これが世界で初めてのカラー写真となります。
マックスウェルの三原色理論に基づいて、カラー写真を実用化するための様々な試みが行われました。アメリカでは、発明家フレデリック・アイヴス(1856-1937)がカラー写真の撮影・観賞システム「クロムスコープ」を開発します。このシステムでは、まず三色分解カメラで、三原色に対応したガラスのモノクロ写真を制作します。これを三色のフィルターが付いたヴュワーにセットし、鏡やハーフミラーで反射させて一つの画像に合成して、接眼レンズからカラー写真として鑑賞します。アイヴスは他にも独自の機構を持った三色分解カメラや写真製版・印刷の技術を開発し、写真・印刷の発展に大きな足跡を残しました。
*情報誌『アートあざみ野 vol.69』(2024年12月発行)「Gallery on the Magazine vol.64」より転載
マックスウェルの三原色理論に基づいて、カラー写真を実用化するための様々な試みが行われました。アメリカでは、発明家フレデリック・アイヴス(1856-1937)がカラー写真の撮影・観賞システム「クロムスコープ」を開発します。このシステムでは、まず三色分解カメラで、三原色に対応したガラスのモノクロ写真を制作します。これを三色のフィルターが付いたヴュワーにセットし、鏡やハーフミラーで反射させて一つの画像に合成して、接眼レンズからカラー写真として鑑賞します。アイヴスは他にも独自の機構を持った三色分解カメラや写真製版・印刷の技術を開発し、写真・印刷の発展に大きな足跡を残しました。
*情報誌『アートあざみ野 vol.69』(2024年12月発行)「Gallery on the Magazine vol.64」より転載