ゲルツ=アンシュッツ・フォーカルプレンシャッター [Gallery on the WEB vol.56]
アンゴー/オプティッシュ・アンシュタルト・C・P・ゲルツ・アーゲー/1908年
19世紀後半、科学への関心の高まりを背景に、様々な写真家や科学者が、ものが動いている最中の姿を写真にとらえようと挑戦を重ねていました。プロイセンの画家で写真家のオットマール・アンシュッツ(1846-1907)も動物の動態の撮影に興味を抱きます。
1880年代に当時普及しつつあったゼラチン乾板で撮影を試みる中で、より速いシャッタースピードで撮影できるシャッターの必要性を感じます。そこで、当時使われていたレンズ部分で布幕が走る方式のローラーブラインド・シャッターを改良します。
アンシュッツの考案したシャッターは、感材のすぐ前を布幕のスリットが走る方式で、この方式は後にフォーカルプレン(焦点面)・シャッターと呼ばれます。1891年にはC・P・ゲルツ社から最速1/1,000秒のゲルツ=アンシュッツ・フォーカルプレンシャッターの名称で商品化され、市販のカメラに取り付けられました。
フォーカルプレン・シャッターには、シャッタースピードを速くしやすい、レンズ交換がしやすいなどの利点があり、後に距離計連動式カメラや一眼レフなど様々なカメラに取り入れられて、カメラの発展に大きく貢献しました。
*情報誌『アートあざみ野 vol.61』(2022年4月末発行)「Gallery on the Magazine vol.56」より転載
1880年代に当時普及しつつあったゼラチン乾板で撮影を試みる中で、より速いシャッタースピードで撮影できるシャッターの必要性を感じます。そこで、当時使われていたレンズ部分で布幕が走る方式のローラーブラインド・シャッターを改良します。
アンシュッツの考案したシャッターは、感材のすぐ前を布幕のスリットが走る方式で、この方式は後にフォーカルプレン(焦点面)・シャッターと呼ばれます。1891年にはC・P・ゲルツ社から最速1/1,000秒のゲルツ=アンシュッツ・フォーカルプレンシャッターの名称で商品化され、市販のカメラに取り付けられました。
フォーカルプレン・シャッターには、シャッタースピードを速くしやすい、レンズ交換がしやすいなどの利点があり、後に距離計連動式カメラや一眼レフなど様々なカメラに取り入れられて、カメラの発展に大きく貢献しました。
*情報誌『アートあざみ野 vol.61』(2022年4月末発行)「Gallery on the Magazine vol.56」より転載