横浜市民ギャラリーあざみ野 | Yokohama Civic Art Gallery Azamino

あざみ野コンテンポラリーvol.13 CLOTH×OVER 糸と布 日常と生を綴る

Azamino Contemporary vol.13 CLOTH×OVER Thread and Fabric-Writing the everyday and life

あざみ野コンテンポラリーvol.13バナー

概要

〔出品作家〕
遠藤 薫 Endo Kaori
小林 万里子 Kobayashi Mariko
ユ・ソラ Yu Sora

シリーズ第13回となる本展では、「糸」「布」を素材として、「縫い」「織り」「刺繍」「染め」などのプロセスを通じて制作を続けているアーティストたちによる作品を取り上げます。糸や布は、人々の生活や地域文化に密着した素材として発展を遂げてきました。また、様々な機能を有する布は、人が日常的に触れる機会も多く、様々な記憶を呼び起こすと同時に、快・不快の感覚にも深く関わるものです。本展では、身近な素材を用いながら、日常の機微、労働や手仕事の視点、ひいては生成と消滅の循環について、アーティストそれぞれの日常的感覚が豊かにクロスオーバーする表現の世界を紹介します。

※会期中、下記の日程で「見ル 聞ク 感ジル みんなの対話型鑑賞会」(高齢者・認知症患者とその介護者のための美術鑑賞会)を開催します。展示室内で小グループごとに 対話をしながら作品を鑑賞しますので、何卒ご理解の程お願い申し上げます。
開催日時:10月28日(金)13:30-15:30
(本事業は、文化庁委託事業「令和4年度障害者等による文化芸術活動推進事業」として実施するものです。主催:文化庁、公益財団法人横浜市芸術文化振興財団、荏田地域ケアプラザ)

※新型コロナウィルス感染症対策のため、ご入場に際し、緊急連絡先をご登録いただいております。
 受付での混雑回避、スムーズなご入場のため、「事前登録」をご利用ください。
 以下の「関連リンク」より事前登録が可能です。
遠藤薫/閃光と落下傘

遠藤薫/閃光と落下傘/2020/古布 撮影:デルフィン・パロディ 提供:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)

小林万里子/Apotheosis

小林万里子/Apotheosis/2019年/土、粘土、珪藻土、木綿、麻、羊毛、アクリルガッシュ/h.110×w.150cm

ユ・ソラ/日々をかさね

ユ・ソラ/日々をかさね/2022/ミクストメディア、インスタレーション

動画

関連イベント

アーティスト

遠藤薫写真
遠藤 薫 えんどう かおり
1989年大阪府生まれ。沖縄や東北をはじめ国内外で、その地に根ざした工芸と歴史、生活と密接な関係にある政治の関係性を紐解き、主に染織技法を用いて制作発表を続けている。「使う」ことで布の生と人々の生を自身の身体を用いてパフォーマティブにトレースし、工芸の本質を拡張することを制作の核とする。
小林 万里子写真
小林 万里子 こばやし まりこ
1987年大阪府生まれ。織る、染める、編む、刺す、といったテキスタイル技法を用い多様な素材を組み合わせて、世界に存在する様々な結びつきを表現する。重層的に織りなされる色や形によって現れる混沌のイメージの中から、生命の本質的な姿を描き出すことを試みている。
ユ・ソラ写真 撮影:加藤 甫
ユ・ソラ ゆ・そら
1987年韓国、京畿道生まれ。日本と韓国を拠点に、災害や事故などで突然失うこともある日常や些細な日々をテーマに、白く柔らかい布に黒い糸で刺繍を施し、日常の風景を記録するような立体・平面作品を通じて、日常とは何かについて問い直すような空間をつくりだしている。

関連資料

保育のご案内

「保育あり」と記載のある関連イベントにご参加の方は、開催時間中に1階「子どもの部屋」の一時保育(事前予約制、対象年齢:1歳6カ月~未就学児)を主催事業保育料金にてご利用いただけます。詳細はアートフォーラムあざみ野 子どもの部屋(TEL:045-910-5724)までお問合わせください。
※2ヶ月~1歳5ヶ月児の保育につきましてはご相談ください。

アーカイブ

美術という枠や社会的評価にとらわれず、様々なジャンルのアーティストが行っている表現活動に目を向けたシリーズ展「あざみ野コンテンポラリー」。その第13回は、「糸」「布」を素材として、「縫い」「織り」「刺繍」「染め」などの手法を通じて制作を続けている気鋭のアーティスト、遠藤薫、小林万里子、ユ・ソラによる全15点の作品を紹介しました。本展では、身近な素材や手法を用いながら、日常の機微、労働や手仕事の視点、ひいては生成と消滅の循環について、アーティストそれぞれの視点から紡がれた日常的感覚が豊かにクロスオーバーする三者三様の表現を、インスタレーション展示によって存分にお楽しみいただく構成となりました。会期中の関連イベントとして、3名の作家が制作背景や出品作について語るクロストーク、そして出品作家のユ・ソラを講師に、参加者がそれぞれの家(部屋)の設計図を基に、立体的なモケイづくりに挑戦するワークショップを開催。さらに、あざみ野カレッジ企画展関連講座の沢山遼氏(美術批評)による「ルース・アサワの芸術」では、複雑かつダイナミックなワイヤー彫刻で知られるアメリカの女性作家にして日系二世ルース・アサワ(1926-2013)を取り上げ、作家の造形的思考や素材との深い結びつき、同時代の作家との影響関係、戦後アメリカ社会における日系人の評価と美術の歴史について、批評的視点から国内初となる刺激的な議論が展開されました。