横浜市民ギャラリーあざみ野 | Yokohama Civic Art Gallery Azamino

あざみ野フォト・アニュアル2023 潮田登久子 写真展 永遠のレッスン

Azamino Photo Annual 2023 Ushioda Tokuko: Lifelong Learning

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概要

現代の写真表現を紹介する「あざみ野フォト・アニュアル」企画展では、静物を中心に端正なモノクロ写真を撮影する写真家、潮田登久子(うしおだ・とくこ/1940年東京都生まれ)の個展を開催します。
潮田は、1960年に桑沢デザイン研究所に入学し、写真家の石元泰博(1921-2012)、大辻清司(1923-2001)の指導を受け、1975年にフリーランスの写真家として活動を始めます。1981年より、さまざまな家庭の冷蔵庫の外観と庫内を定点観察するように撮影を始め、『冷蔵庫/ICE BOX』(1996)を出版。1995年より、本と本の置かれている環境を主題とした「本の景色/BIBLIOTHECAシリーズ」の撮影に取り組み、『みすず書房旧社屋』(2016)、『先生のアトリエ』(2017)、『本の景色』(2017)の三部作として発表しました。それらの業績が認められ、2018年に、第37回土門拳賞、日本写真協会賞作家賞、第34回写真の町東川賞国内作家賞を受賞。2019年5月に桑沢特別賞を受賞しました。2022年2月には、約40年前の未発表作をまとめた写真集『マイハズバンド』を刊行し、同年11月に「Paris Photo–Aperture PhotoBook Awards」審査員特別賞を受賞。この写真集に収録されているのは、写真家である夫・島尾伸三と、当時幼かった娘(しまおまほ/作家)とともに生活した、世田谷区豪徳寺の歴史ある洋館で撮影された写真です。
本展では、およそ45年ぶりに公開される初期作品「街へ」(発表当時のシリーズタイトルは「微笑みの手錠」)をはじめ、代表作である「冷蔵庫/ICE BOX」、「本の景色/BIBLIOTHECAシリーズ」三部作、そして「マイハズバンド」などのシリーズから、約130件をご紹介します。活動を始めてから現在に至るまで、途切れることなく撮り続けた、潮田による写真をこの機会にぜひご堪能ください。

「冷蔵庫/ICE BOX」より ©Tokuko Ushioda, Courtesy PGI

「本の景色/BIBLIOTHECA」より ©Tokuko Ushioda, Courtesy PGI

「マイハズバンド」より ©Tokuko Ushioda, Courtesy PGI

「街へ」より ©Tokuko Ushioda, Courtesy PGI

動画

関連イベント

アーティスト

潮田 登久子 うしおだ とくこ
1940年 東京都生まれ
1963年 桑沢デザイン研究所リビングデザイン研究科写真専攻卒業
1975年 フリーランスの写真家として活動を始める

個展
1976 「微笑みの手錠」新宿ニコンサロン(東京)
1989 「生活」Film Round Gallery(東京)
1992 「冷蔵庫/ICE BOX」Gallery さくら組(東京)
   「冷蔵庫/ICE BOX」東京デザインセンター(東京)
1994 「帽子」Gallery MOLE(東京)
1998 「冷蔵庫/ICE BOX」三菱地所アルティアム(福岡)
1999 「冷蔵庫/ICE BOX」世田谷区文化生活情報センター生活工房(東京)
2001 「帽子」Contemporary Photo Gallery(東京)
2002 「聖歌」Contemporary Photo Gallery(東京)
2003 「本の景色/BIBLIOTHECA」第5回図書館総合展 東京国際フォーラム(東京)
   「Bibliotheca 本の景色」Contemporary Photo Gallery
   「Bibliotheca 本の景色」早稲田大学図書館(東京)
2004 「Bibliotheca“Bookmart”」Contemporary Photo Gallery(東京)
2006 「Bibliotheca 本の景色」明治学院大学インブリー館(東京)
2008 「冷蔵庫/ICE BOX」Port Gallery T(大阪)
2009 「冷蔵庫/ICE BOX」CAFÉ UNIZON(沖縄)
2010 「本の景色/BIBLIOTHECA」森岡書店(東京)
2012 「Bibliotheca 本の景色」Port Gallery T(大阪)
2017 「本の景色/BIBLIOTHECA」ギャルリ412(東京)
   「本の景色/BIBLIOTHECA」PGI(東京)
2018 「土門拳賞受賞作品展 本の景色/BIBLIOTHECA」ニコンプラザ・The Gallery(新宿、大阪)
2022 「マイハズバンド/My Husband」PGI(東京)

グループ展
1981 「人和人民公社」OWL(東京)
1982 「China Life Report」ポラロイドギャラリー(東京)
1989 「六・非・表現主義」FROG(東京)
1995 「写真都市/TOKYO」東京都写真美術館(東京)
2004 「まほちゃんち」水戸芸術館現代美術ギャラリー(茨城)
2008 「China/Biblioteca/Manga」Lee Ka-sing Gallery(トロント、カナダ)
2012 「Reinventing Tokyo」Mead Art Museum, Amherst College(アマースト、アメリカ)
2015 「加地邸をひらく2015春―暮らしの記憶」加地邸(神奈川)
2016 「Dislocations」smith College Museum of Art(ノースハンプトン、アメリカ)
2018 「流動的宴席」西安市城市記憶博物館(中国)
   「日本写真協会賞受賞作品展」富士フイルムフォトサロン(東京)
   「東川賞受賞作品展」東川町文化ギャラリー(北海道)
2019 「アカルイ カテイ」広島市現代美術館(広島)
2021 「アネケ・ヒーマン&クミ・ヒロイ、潮田登久子、片山真理、春木麻衣子、細倉真弓、そして、あなたの視点」資生堂ギャラリー(東京)

出版
1986 『Chinese People』私家版 
1994 『凝裸儒的中華天地』三交社(共著)
1996  写真集『冷蔵庫/ICE BOX』Beebooks(光村印刷株式会社)
2004  写真集『HATS』パロル舎
2016  写真集『みすず書房旧社屋』幻戯書房 
2017  写真集『先生のアトリエ』幻戯書房 
2017  写真集『本の景色 BIBLIOTHECA』幻戯書房 
2022  写真集『マイハズバンド』torch press

コレクション
Smith College Museum of Art(ノースハンプトン、アメリカ)
Mead Art Museum(アマースト、アメリカ)
九州産業大学(福岡)
東京国立近代美術館(東京)

共著
1984 『中華人民生活百貨遊覧』新潮社・とんぼの本
1986 『香港上海雑貨見物』東京三世社
1994 『凝裸儒的中華天地』三交社
1997 『中国のかわいいおもちゃ』平凡社
1999 『極楽マカオ案内』平凡社
1999 『マカオで道草』大修館書店
2001 『中国庶民生活図引 食・遊・癒』弘文堂
2004 『中国製造 香港・澳門』パロル舎

関連資料

保育のご案内

「保育あり」と記載のある関連イベントにご参加の方は、開催時間中に1階「子どもの部屋」の一時保育(事前予約制、対象年齢:1歳6カ月~未就学児)を主催事業保育料金にてご利用いただけます。詳細はアートフォーラムあざみ野 子どもの部屋(TEL:045-910-5724)までお問合わせください。
※2ヶ月~1歳5ヶ月児の保育につきましてはご相談ください。

アーカイブ

写真表現の現在を切りとる企画展と約1万件の横浜市所蔵カメラ・写真コレクションを様々な切り口で紹介するコレクション展を同時開催する「あざみ野フォト・アニュアル2023」を開催しました。
企画展では、写真家・潮田登久子による個展を開催し、「街へ」「冷蔵庫 ICE BOX」「みすず書房旧社屋」「先生のアトリエ」「本の景色 BIBLIOTHECA」「マイハズバンド」の6シリーズを紹介しました。1975年にフリーランスの写真家として活動を始めた潮田の貴重な初期作品から、現在も継続して撮影しているシリーズの新作まで、作家の長きにわたるキャリアを見渡すことのできる充実した展覧会となりました。会期中はアーティスト・トーク、美術評論家の光田ゆり氏との対談のほか、ギャラリートークを行いました。